入れ歯は、失った歯を補うもっともポピュラーで手軽な補綴治療です。ケア次第でいつも快適なコンディションを維持できます。“つくって終わり”ではなく、いつまでも快適かつ長く愛用していくためのお手入れを毎日欠かさず行いましょう。
ただ、大切に使っていても、歯ぐきが痩せてくるとお口にフィットしなくなってくることがあります。合わない入れ歯を使い続けていると、痛みや不快感に悩まされてしまいます。定期的に入れ歯の検査を行い、必要に応じて調整してもらいましょう。
入れ歯はそれ自体が虫歯になることはありません。しかし、お手入れを怠ると、雑菌が繁殖して入れ歯が汚れたり、口臭がしてくるようになったり、不衛生な状態になります。毎日歯ブラシで入れ歯をブラッシングしたあとに入れ歯洗浄剤を使ったり、舌や上顎の粘膜など、口腔内もキレイにしたりすることが大切です。
【入れ歯を汚れたままにしてはいけません!!】
お手入れが不十分だと、たとえ入れ歯であってもプラークが付着します。プラークには無数の細菌が棲みついているため、放っておくと「義歯性口内炎」と呼ばれる症状を引き起こすことがあります。また、長年不衛生な入れ歯を使用していると、歯ぐきの粘膜が常に刺激を受け続け、炎症を起こすことも。また、喫煙される方は、ニコチンやタールにご注意ください。これらが入れ歯にこびり付くと、変色や口臭の原因になります。
入れ歯洗浄剤の種類
酵素系タイプ | 酵素によって微生物を除去させます。 |
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次亜塩素酸系タイプ | 強い殺菌力で雑菌を除去します。 |
発泡性タイプ | 泡状になった薬剤が入れ歯に付いた汚れを落とします。 |
口腔内のお手入れについて
歯ぐきや上顎、舌などをやわらかい歯ブラシなどでマッサージするようにブラッシングしましょう。
入れ歯のお手入れの基本は、毎食後の水洗い(熱湯や漂白剤での消毒は厳禁です!)。部分入れ歯の場合は、固定するバネの部分に汚れがたまりやすいので、歯ブラシで丁寧に洗いましょう。総入れ歯の場合は、スポンジや歯ブラシを使い、歯と歯の間や歯ぐきにあたる部分などの洗浄を念入りに。
なお、使用しない就寝中などには清潔な水の中に浸して保管しましょう。入れ歯は乾燥に弱く、歪みやすいもの。乾燥はお口に合わなくなる原因となりますのでご注意ください。
【より高品質な入れ歯もご用意できます】
保険診療の入れ歯は、必要最低限の機能回復が目的であるため、本物の歯のような見た目と咬み心地を得られるレベルには達しません。そこでおすすめなのが、自費診療の入れ歯です。ここでは当院で採用している2種類の入れ歯「ナチュラルデンチャー」「金属床入れ歯」についてご紹介します。
見た目が自然な「ナチュラルデンチャー」
非金属で柔軟性のある素材を使った入れ歯。フィット性が高く、咬み心地がいいのが特徴。金属のバネの代わりに、歯ぐきの色に近い樹脂を使っているため、見た目も自然です。金属アレルギーの心配もありません。
食べものの温度が伝わる「金属床入れ歯」
「床」という歯ぐきにあたる部分が金属でできた入れ歯。薄い金属でつくられているため、軽くて丈夫。口の中での異物感が少なくなっています。また、熱伝導率も高いため、食べものの温度ががよく伝わり、食事を楽しめます。